カテゴリ: ヨーロッパ( 12 )

黒と白の法衣

冷たい霧の中、せまい運河のほとりの、なにもかもが清潔なかたちで整頓された、
ひっそりと木陰にかくれるような白壁の家々、それがベギナージュ(ベギン会修道院)だった。
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こう書きながら、私は、もしかしたら、じぶんの記憶のなかのベギナージュは、同じ旅の途中、
ブッリュセルの美術館で見たブリューゲルの絵ともつれあっているかもしれないと思う。

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いずれにせよ、黒と白の法衣をつけ、うつむいて行きかう、人形の家のコビトたちみたいな
ベギーヌ修道女たちには、現実感がすっぽりと抜けているような、たよりなさが感じられた。
現世とは違った歴史の速度が、ブルージュの霧の中を流れているようだった。


                                   『ユルスナールの靴』 須賀敦子著から抜粋

*

ベルギー・オランダ旅行の供に選んだ須賀敦子の「ユルスナールの靴」の中の一節です。
1950年代、20代の須賀さんはフランス留学中に休暇でベルギーのブルージュに立ち寄り、
ベギナージュ、現在のベギン会修道院を訪れています。
飛行機の中で偶然この文章を見つけ、須賀さんと同じくブリュッセルでブリューゲルを鑑賞後、
ベギナージュにたどり着いた私は、彼女が表現した場面が60年後も
全く変わらず存在していた事に少し驚きました。

同じ風景だった・・という事よりも、わたしの目の前を
”黒と白の法衣をつけ、うつむいて行きかう”背中が90℃曲がった老いた修道女が
杖をつき頼りなく・・・本当に頼りなく歩いていたから。

”霧の底に沈んだきり、ふたたび水面に浮上するのを拒んでいる生物のように、
裸の木々の下に声もたてずに行きかう彼女たち・・・・”
と須賀さんが表現した、修道女。

先入観と共に、祈りと沈黙の、長い時を背負って歩いているようなその姿に
カメラを向けることはできませんでした。
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by cafe-elefante | 2009-05-22 12:53 |  ヨーロッパ | Comments(4)

Restaurant 「De vlaamsche pot」 ~Brugge~

今回の旅で印象に残ったレストラン、ブルージュのDe vlaamsche pot

マルクト広場から200Mほど。
ちょっとだけ迷ったけれど、ここかな?と思った細い路地をひょいと覗くと
塀にへばりつくように建つ、こちらのかわいらしいお店が見えました。
タンタンが大人になったようなお兄さんがキビキビと働いていて・・・。
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お天気がよかったので外の席へ。
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まずビール。外ビール美味♪
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夫はホワイトアスパラを。
ドイツではシュパーゲルと呼ぶそうで、マッシュポテトの付け合せが定番らしい。
こちらではポテトとゆで卵のみじんぎり添え。
溶かしバターのソースと相まってとてもおいしい。
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私はパンケーキを。(でろ~んとはみだしている・・)
プレーンヨーグルトの酸味が少し香る熱々の生地にチーズとベーコン☆
近所にあったら毎日でも通いたい~。
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デザートはワッフルの粉糖がけ&モカコーヒー。
ベルギーチョコの濃厚な甘さに少々飽きていたのでプレーンを注文。
ふわっふわのサクサク、夫とあと2枚は食べられるねと。
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料理をシェアして飲み物とデザート込みで二人で40ユーロほど。

川沿いの素敵な有名フレンチへも行きましたが、
わたしはここのお料理がベルギーらしさ満載で好きだなぁと思いました。

*

あやしげな語学力を駆使して地元の人気店をネットで探し見つけたレストラン。
実際、地元の方で大賑わいでした。(たぶん、日本語のガイドブックには載っていません)
大正解のお店で嬉しかったです。
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by cafe-elefante | 2009-05-19 13:33 |  ヨーロッパ | Comments(3)

ブリュッセルの緑と王宮と

気持ちよく晴れたブリュッセルの朝。
美術館へ行く前に公園を散歩。

仲良し兄弟に遭遇。
噴水を撮影しつつ、フレームに二人を入れてパチ。
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場所を移ってベンチに座りながら噴水でも撮るかとカメラを構えていると、
ワ~ッ!という感じでフレームに飛び込んできた二人。
さてはわたしが撮ったの気づいていた?
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噴水を撮影しつつ、フレームに二人を入れてパチ。
今日はいい天気だねぇ。

少し休んでからブラブラと話しながら公園を抜けると偶然、王宮の前へ。
あら?騎馬隊がいる。
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王宮の正面に車が一台。これからどなたかおでかけかしら?
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動きがなさそうなので正面に渡る。

ジャン。
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通りを渡って正面からみると近衛隊もいてカッコイイ~!
それにしてもおとなしく並んでいて賢いお馬さんたち(当たり前)。

あっ!!きたよ!車、車!
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わー!王様ー!王様ー!(っていうか王様?誰?まぁ誰でもいいや)
あーこっちみてるー!パシャパシャ
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スーツ姿だね。王様?違うかも。でもこの豪華な騎馬兵は王様よね。
王様じゃなくて国王じゃないか?などと夫とブツブツ話す。
いまだに国王とか王様っていうとこんなイメージだからピンとこないのかしら・・・
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隊列はゆっくりすすむ。
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この後も、ブリュッセルではかなりのんびりと時間が過ぎていきました。
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by cafe-elefante | 2009-05-19 13:21 |  ヨーロッパ | Comments(3)

ライデンの色

旅の思い出、最後はオランダ、ライデンのキューケンホフ公園。
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気持ちよい快晴の日、デン・ハーグから電車バスを乗り継いで8時半の開園時間に到着。
早い時間だったので園内は人もまばら、のんびりゆっくり多種多様のチューリップを満喫。
広大な公園は噴水や池、温室にカフェと見所が盛りだくさんでしたよ。

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ふわっとまるく開いた真っ赤なチューリップ。
好きな写真です。
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*

旅の写真は終わります。
おつきあいくださりありがとうございました。
今後は時々レストラン記事などUPすると思います。

今日は嵐のような突風が吹き荒れている横浜です。
おうちに篭り、お昼はじっくりとさわらを焼いて大根おろしをた~っぷりおろし、
白米、お豆腐とわかめのお味噌汁と一緒にいただきました。

先日、合羽橋へ料理道具を買出しへ行き、銅のおろし金を買ってきたのですが
もうこれがいい仕事してくれまして・・・
力いらずで大根がおろせて、大根おろしが好きになりそう笑

それにしてもピカピカの新しい料理道具って見ているだけで気分も晴れますね。
料理するのが楽しくなります♪

早速その道具を使ってオランダ風パンケーキを作りました。
オランダ語の説明書きをチマチマと訳して挑戦しましたが簡単で美味しかったです^^
今週UPします。
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by cafe-elefante | 2009-05-17 17:45 |  ヨーロッパ | Comments(5)

ブルージュの水と緑

天井のない美術館と讃えられる、美しい中世そのままの町並みが
世界遺産に登録されているブルージュ。
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居心地のよさに予定よりも長く滞在。
ゆったりと時間が流れ、またいつか訪れたい素敵な街でした。
地元の方で賑わうおいしいレストランも発見。^^
後日UPします。
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by cafe-elefante | 2009-05-15 09:47 |  ヨーロッパ | Comments(5)

ひさしぶりのイタリア語

旅行写真はちょっとおやすみ・・・

連休明け、久しぶりのイタリア語学校。
まだ休暇の生徒も多くて少人数ではじまり、はじまり~。

校長先生に「もう言葉忘れちゃった?すぐ出てくる?」と笑いながら言われて
「多分むり」とへにゃへにゃ答えた。

いちお長い休みに入る前に宿題はやっておいて、旅の話などをイタリア語にして行った。

相変わらず日常会話の文法を直される。
ただ若くてノリノリのナポリ人先生もベルギー・オランダへ行ったことがあるらしく、
食べ物の話で大盛り上がり。
アムステルダムは昼間はいいけど夜はずっとホテルにいないとねと言い
「で、コーヒーショップ行った?」と笑っているから行きたかったけどやめたと答えた。

*

旅から戻りなんだかずーっとボーっとしていた私。
時差ボケも全然抜けなくて、変な時間に起きては寝てと
これはどうやら軽く五月病みたい。
五月病は急な気温の変化を繰り返していると誰でもなるらしく、
対処法としては体に刺激を与えるのがよいとの事。
昨日はジムの後でサウナと冷水浴びを繰り返し、
今日のイタリア語で軽く緊張して少しづつ回復してる感じ。

今週はお懐石の教室もあるから旅写真は今週で一旦おしまいにして
来週はお料理記事もUPしていこうかなぁと思案中。

そういえば旅の途中、夫のイタリア人同僚Dr.と時差なし会話。(欧州は平日)
突然電話を渡されて、「あ、ぷろんと ぼ、ぼんじょるの ぴあちぇーれ その きみー」
(あ、もしもし、こ、こんにちは はじめまして きみーです」
と言ったらちょっとクスクスと笑っていて、それに続く彼の話し言葉はとても紳士的で
なんだか穏やかでうっとりするようなイタリア語で・・・。
いつも若い女の子先生の元気な(ギャル?)イタリア語しか聞いていないから新鮮^^
でも今日学校で先生と話して、授業はこのほうが元気が出るなぁ・・・
なんて思ってみたり。


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だいぶ蒸し暑くなってきた日本だけど、肌が潤う事をせめてものよしとして、
乗り切っていこうと思います。
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by cafe-elefante | 2009-05-13 16:49 |  ヨーロッパ | Comments(0)

ブリュッセルの灯り

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ブリュッセルのグランプラス。
街の中心にあるこの広場の夜景は一見の価値ありと夫が大プッシュ。
22時、たくさんの賑わう人々にまざっておしゃべり。
22時半過ぎ、やっと暗くなってきた・・・


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静かに灯りがともる。

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スペインのイザベル女王やビクトル・ユゴーも讃えた、幻想的な夜のグランプラスが
目の前に広がった。
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by cafe-elefante | 2009-05-12 15:04 |  ヨーロッパ | Comments(3)

波止場のある風景

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スヘルデ川の波止場。
夏には客船や豪華なクルーザーでにぎわうようだ。

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現在でも欧州の貿易港として大切な役割を担うアントワープ港。
貿易会社時代、”アントワープ”という遠い国の港の名を目にしながら、時々ふと
(どんな所だろう)と思っていた。
実際自分がそこに立ち、想像していなかった程の活気に触れてうれしいと同時に、
(あぁ、そうか。あれだけの船荷が行き交うのだものね)と
訳知っていたような都合のよい思いが沸いた。

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巨人の腕を投げる男の像。(ブラボーの像)
アントワープとは”手を投げる”という意味で街の名前もそこからきているとか・・・
ブラボーの下には手を切られた巨人が横たわっている怖い像。
じっくり見たくない感じ。

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遅い夕食は鍋一杯のムール貝で・・・
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by cafe-elefante | 2009-05-11 13:38 |  ヨーロッパ | Comments(6)

アントワープの夕暮れ

4月下旬のベネルクス、陽が沈むのは午後10時を過ぎた頃。
狭い路地沿いの、ヨットや船の模型が飾られたアントワープの宿で
夫がチェックインの手続きをしていると、どっぷりと貫禄のある若い女性の従業員が
「1杯飲んでいって」とカウンターにずらっと並べられた古いシェリー酒を薦めてくれた。

そのラフな雰囲気に港町にいるんだなとしみじみしながら、
ショットグラスに並々注がれたシェリーを一気に飲めばガンっと頭に響く強さで・・・。
でも不思議と喉越しがよくて2杯空けた私は部屋に荷物を置き、
ややハイテンションで川べりまでお散歩♪

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堤防から振り向くと、夕陽に照らされたノートルダム大聖堂が空に突き出ていた。
ここにはネロが一目見たいと熱望したルーベンス「キリスト降下」がある。
パトラッシュと共にその絵を目指した冬の日はどんなに寒かっただろう。

人口1000万人強の小国ベルギーの中で、
大型貨物船が行き交い独自の発展をとげてきたスヘルデ川沿いの港街アントワープは、
活気があり街行く人もショップのウィンドウも洒脱な雰囲気で、
どことなくイタリアの海沿いの街の雰囲気に似ているようでとても気に入った。
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by cafe-elefante | 2009-05-11 06:55 |  ヨーロッパ | Comments(6)

アムステルダムの空

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初めてのアムステルダム。
桜の花びらの大きさで、でも桜とは全く似ていないベージュ色のカサカサに乾いた葉が
強風と共に舞い散っていた。
あれは一体何の葉だろうか。

海抜0mの街のどこを見上げても大きな空がどーんと広がっていて、
その風景すべてが絵画のよう。
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ゴッホ美術館の横の大きな広場。
雲が早い速度で流れ空の表情もくるくる変わる。



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夫から「アムスはデンジャラス・シティだよ」と簡単に聞いていたけれど
実際駅に降り立つと、プチGW中の欧州人はじめ猛烈な数のあらゆる人種が行き交い、
トラムから眺める風景は薬(ブツ)屋、風俗店、飲食店などがぎっしりと並び
予想をはるかに超えるデンジャラス具合にちょっと体に力の入った小心者の私。

それでも美術館を巡り、ゆっくりと運河沿いを歩くうちに少し慣れてきた。
が、アムスの冷たい強風は農耕民族の私の身を完全に冷やしてくれた。
どうやら北海の風は私に染みるみたい。

コーヒーショップ(ブツ取り扱い所)の下によさそうなカフェを見つけて休憩。
楽しみにしていたKoffie Verkeerd(コーヒー・フェルケード)を頂く。
ミルクがたっぷり入った熱いオランダ版カフェオレは美味しく、店員さんも楽しく
心も体もすっかりあたたまり、再び街へ繰り出した。

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by cafe-elefante | 2009-05-08 15:38 |  ヨーロッパ | Comments(4)

日々のこと、写真など・・


by kimmiy
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