「ユルスナールの靴」のおはなし

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ちゃんとした靴をごく小さいときからはかせないと、足の発育がおかしくなる。と、
ずっとまえ、なにかで読んだことがある。うちの子は偏平足じゃないかしらと医者に連
れていった母親がイタリアにいたころの私の周囲にもいたし、うちの弟は、足が曲がって
いるっていうんで、幼い頃矯正具をつけさせられていたのよ、とうちあけてくれた友人もいた。

ヨーロッパの人たちの「正常な足」への執念はひとかたならず、ミラノの中心街には
子供靴だけを売る靴店があったし、あるとき友人に、いい靴屋を知らないかとたずねると、
彼女はちょっとはずかしそうに、困った顔をしてこう答えたのだ。
靴屋ってねぇ。わたしは小さいときからいつもおなじところで誂えるものだから。
彼女の家族は、ミラノ近郊に代々のひろい領地をもつ、裕福な貴族だった。”


「ユルスナールの靴」 須賀敦子著 より抜粋


*

我が子が靴を必要とするまでに成長したころ、上記の箇所が私の頭の中をグルグル。笑
ファーストシューズはやわらかい革の、足にぴったりのものをと探し、
写真はそのファーストシューズです。
いまは履きつぶして真っ黒だけど、大切に保管する予定。


お店によっては「すぐに足が大きくなるから大きめを」と大プッシュされる我が国日本。
須賀さんも本の中でいつも少し大きな靴を履いていたと書かれている、
(もっとも昭和初期の良家の子女だった彼女の場合の靴は、高価な革靴のコト・・・)

とはいえ、服文化、街は石畳、気候は寒くて乾燥した欧州と、
着物、高温多湿、ついこの間までじゃり道多しの日本では
靴へのスタンスが違うのは仕方ないかな。


実家の両親が靴の手入れなど身に着けるものの管理に厳しかった事もあり、
靴好きに成長したわたしは、須賀さんが欧州文化を織り交ぜながら
作家、ユルスナールの靴を題材にしたこの本が好きです。

ただ、小学生の頃に病没してしまった父親とはあまり会話が無かったけれど
大きな下駄が似合っていて、下駄の音が父親を思い出す数少ない物事だという、
我が夫の父親の話しが私の中で最高の履物のお話し。

**

今日は靴の大文化圏、欧州から友達が数年ぶりに完全帰国。

おかえりおかえり~Mちゃん♡
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Commented by Mido at 2012-07-22 21:18 x
ただいまただいま〜☆

そうなんですよね、私は在仏中に須賀敦子さんの『ユルスナールの靴』を読んで、気をつけてみると、確かにあちらの子供はきちんとした靴を小さな頃から履いている。
ひるがえって、私自身も振り返れば、大きな靴を履かされていた気がします。
ぼんちゃんは、洋風男子になるのかな。
Commented by cafe-elefante at 2012-07-23 00:25
Midoちゃん

こんばんは〜☆
コメありがと。
色々と日本モードに変換されてきたかしら?(^-^)

やっぱり実際にそうなんだねぇ。
あちらは靴や靴下は体の一部なのかな?と
思います。
Midoちゃんも大きめの靴だった?
あたしは子どもの頃の靴は記憶にないわ。でもきっとそうだったと思う。

ぼんちゃんね、人生でコレだ!という事に巡り合えればいいなと。
それがあれば人生ほぼ成功だからさ。
親が上手く導いて行けたらいいんだけど。
欲を言えば母としては洋風希望だけど、
そればっかりはね〜…
だからファーストシューズだけでも。笑
Commented by masamunelunaluna at 2012-07-25 23:17
kimmiyさん、こんばんはー。ご無沙汰ご無沙汰ですっ。
ボンちゃん、いっちょまえにこんなイカシタお靴を履くようになったんですねー。
記事のお話、深くてどれもこれも好き♪(下駄のお話も(笑))

私自身子供に、すぐ小さくなるからと安物の靴、履かせてなー。
(ほらほら、靴のヒラ○とか(笑))
大きさが合ってないからか、彼がどんくさいのか、
息子が坂道で派手に転んで、乳歯だからよかったけど、
前歯折った経験しています~~。とほほ。

そうだよね、足元はきちんとした男性になってほしい。
手入れもきちんとね。

楽しいお話をありがとう!
kimmiyさん、ぼんちゃん、暑いけど体調崩さないでね。
Commented by cafe-elefante at 2012-07-30 07:01
正宗さま
おひさしぶりです!
コメントありがとうございます♡
小旅行へでかけていたのでお返事おそくなりました~

前歯折るって大変でしたね。
確かに生え変わるからよかったけどご本人は痛かったでしょうね(汗)
ぼんちゃんは今は皮でない軽いマジックテープの靴ですが
サイズは合わせて履いています。
小柄だから今はまだ急激に靴のサイズが変わらないので助かってますよ~(笑)
だんだんいっちょまえが増えてきて、主張も激しくなってきましたが
集団の中にいると大人しいタイプなのでどうやら内弁慶君のようです。
お気遣いありがとうございます。
今年は暑くなりそうですね~
正宗さんもご自愛ください。
またブログへも遊びにうかがいます☆

by cafe-elefante | 2012-07-19 15:35 | 子育て | Comments(4)