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愛しい家族とのわかれ

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『三枚の水彩画』から

会 話


「イヌは
見ればわかるが
あらゆる愛情に
はだかでいる。

ヒトよりも足りなくて、
より多くもっている、
ぼくからは、ああ、
ずいぶん遠い!

疑うということが、
まあ、ない。
ちょっと迷って、すぐ
決める。

なにをもらっても、
まちがいなく、よろこび、
ゆっくり、あるいはすぐさま、
口にくわえる。

じぶんの
知らぬものは、
すぐにさとって
しりぞける。

平和なときも、
ときには闘うときも、
あいつもヒトみたいに、
判断をあやまり、

じぶんより強い
ものに道をゆずる、
無情な運命に
たいしても。

それで損をしても、
けっして恥ずかしがらない。
そして、すぐに
もっと欲しがる。

完璧な
肢体をそなえた
カミのようだと、
おもわないか?」


ウンベルト・サバ   須賀敦子訳 
1998年みずす書房


*

友達のわんちゃんがなくなりました。
最後は家族に抱かれてみんなに見守られて。。
外国で暮らす彼女の胸の痛みはどれほどだろうかと心配です。

まだ小学生の頃友達とケンカして悲しくて庭で泣いていた時、
察してくれたのか隣にきて時々顔を見ていてくれた我が家の愛犬。
私が10代のうちに他界してしまったけれど今でも彼との別れの場面思うと涙があふれます。
言葉を交わす事ができない動物たちと人の間に存在するのは絆だと思うのです。
だからこそ別れの悲しみが一層深いのかもしれません。
ミューちゃん、安らかに。天国で元気に走り回ってね!

最初の詩はサバの作品の中でとても好きな一節です。
by cafe-elefante | 2009-10-22 09:25 | 日々のこと

日々のこと、写真など・・


by kimmiy